ものつくりの現場課題解決

5S 整理・整頓・清掃・清潔・躾

 日本のものつくりの現場では、業種を問わず最も重要なものつくりの精神として5Sが実行されています。
5Sがどのように実現されているかは、その職場と現場に一歩足を踏み入れただけで判断できると言います。

  • 整理 不要品を廃却し場所を産みだす
  • 整頓 使うものをすぐに使えるようにする
  • 清掃 発生するごみ・汚れをすぐに取り去り美しくする
  • 清潔 作業環境と服装や心身を清潔に保つ
  • 躾  挨拶から始まる人の基本的な精神力を保つ

 

なぜなぜ分析

 製造の現場では、かならず不良が発生する。
その不良が「なぜ発生したのか、真の原因を突き止め、2度と再発させず、
さらに他の現場にも同じような原因の問題が発生しないように水平展開を行う」ことが重要。

 このために行われることが、真の原因を突き止めるための5ゲン主義と、なぜなぜ分析です。

5ゲン主義

  • 現場  そのことが起こった現場に行く
  • 現物  その現物を見る
  • 現状・現人  起こった周辺状況と人の話を聞く
  • 原理  適用すべき物理科学的な原理に照らす
  • 原則  適用すべき人の世の法律や原則や規則はなにか?

なぜなぜ分析

 なぜなぜ分析は、不良が発生した時に、その『真の原因』を突き止めるための手法です。
通常、不良の原因としてすぐに挙げられることを対策しても、不良がなくなることがほとんどないことが経験上解っています。 なぜそうなるのか? 実は、真の原因が表面的な原因の影に隠れていることが多いのだと。 真の原因をあぶりだすために、「見かけの原因として挙げられたこと」は「なぜ起こったのか?」を、真の原因に到達するまで繰り返すこと、がなぜなぜ分析です。
 そして、真の原因が解ったらやることが2つ。

  • 作業標準  作業標準を改定し、作成する
  • 横展開   他の作業・他職場・調達先などへ展開

経営改善 :経営に役立つ考えかた

経営理念

 企業活動は、多くの人が協力して、企業の外に対して、長期永続的に、貢献を続けることで、代価を頂き、それを従業員や調達先や金融機関や地元・株主などに支払を続けるところに特徴がある。
 進歩発展しサービスとコストの競争が進展する世の中の要求に応えるために、日々進歩発展脱皮していかなければ、一瞬にして世の中からは捨てられてしまうもの。
 そして、今の経営者の次の経営者、部課長の次の部課長、現場のリーダーの次のリーダー、班長の次の班長、現場のベテランの次のベテランを、次々に養成していかねばなりません。
  人を養成するためには、企業の人々が共通にもつべき精神的なあり方や目標と、課題を解決するための判断の基準とすべきものが必要で、それが経営理念です。
  本音と建て前との区別を言う者が多いけれど、実際にはこの経営理念こそ、本音として貫徹すべきものです。
  経営理念には、目標となる高い基本理念と、それを実現するための方法とが、必要です。
  特に上に立つべき、次世代の経営者の養成には、子供の時から経営理念が建前ではなく、真に物事を判断するための基準となる考え方であることを徹底して体に染みつき、第二の天性にまでなることが大切です。
  また、経営トップから現場に至る全ての構成員が、知って実践するためにはコンパクトであること、プレゼンの天才と言われたiPhoneを開発したアップルのスティーブ・ジョブズは『3つ』までと。

初めの一歩を踏み出そう マイケル・E・ガーバー

 世界20カ国で翻訳され、全米でベストセラーになり、「金持ち父さん貧乏父さん」のロバート・キヨサキが絶賛したという本。
 これから起業しようという人も、すでに会社経営している人にも経営者の真実の姿と、成功するための・失敗する時のやり方があることを教えてくれる。
  事業に困難を感じもがいている中小企業経営者に、行き詰まる原因と行うべき具体的な指針を解りやすく解き明かしている。
  事業分野に精通している職人タイプの人が起業した会社が直面する3つの壁、なぜ行き詰るのかと、その解決策を対話形式などで解りやすく解説。

H23.3月例会で日次決算が話題に

 企業業績の改善に役立つ切り札にもなりうる?!との意見も出て、活発な意見交換となりました。世の中では、アメーバ経営という経営哲学・経営術で知られています。

 当会の会員数社が、自社なりのやり方を長期にわたって自主的に実施し改善してきた経験を語りました。ただ経営そのものの透明性や経営理念の公開など、経営革新ができていないと協力は得られないという意見でした。

 日次決算については、やり方がいろいろ考えられます。本に出ているような方法でなくても、当たらずといえども遠からずの精神で、試行錯誤許容で、損益の数字を作ってみることが肝心。日々の損益が数字で出ると工場長や職場のリーダーや班長さんに経営者としての意識が芽生え、アクションが変わったということで、現場の意識改革では大きな成果があったそうです。

 まずは、経営者が、次は工場長が、など順に数年がかりでトライしてみてはいかが?

 月次の実績が1.5ヶ月後に出るのでは経営状況の変化開始は2ヶ月後。日次決算していれば、変化に気がつくのは速いし、それだけアクションも数日後とか変化当日などに現場からスタートできます。

経営の中で不変なものと変るべきもの

 ビジョナリー・カンパニー ~時代を超える生存の原則~

 アメリカの経営研究の学者が「超長期で特別すばらしい」企業と「通常のすばらしい」企業との比較研究の中で見出したのは、従来思われていた常識的な経営の考えかたとは、全く異なったものであった。

 その内容は、全ての組織で機能する事業に適用できるもので、特別な人を必要とするものではなく、学ぶことの出来るものであった。

企業の目的を考える

 経営学の巨人、ドラッカーの集大成を上田氏が圧縮し編纂したのが、
マネジメント[エッセンシャル版] - 基本と原則 [単行本] 。

 これを読んでもらえるようにと紹介用に作ったマンガ「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」は、平成22年に100万部を超えるベストセラーになり映画化上映中。その最初に出てくるのが、この疑問。
 企業の目的って?・・・はて、なんだろう?
ドラッカー研究第一人者上田さんのインタビュー集には、ドラッカーの人柄や業績が凝縮。

企業の目的は「貢献すること」、存続の条件は「収支のプラス」

 企業存続の条件である収支のプラスのためには、実績を把握する道具としての簿記を使えることが前提。簿記のお勧め簿記の実際では、パソコンと安価な経理ソフトの登場で、簿記がだれでも使えるものになったことがわかります。

経営の実践篇として、稲盛和夫の著作は役立ちます

 一介の青年サラリーマン技術者が京セラの創業者となり大企業に育て、KDDIの創業も行った。独自の経営哲学を創り、実践してきた稲盛和夫の著作はどれを読んでも企業経営者には、心に響き、自社の経営方針にできるものが多いです。

 畑違いの破綻したJALの再生を託され、JAL社員の心をつかみ、短期間で再生させたことは、彼の思想と実践に多くの人の心に響く大切な中身があることを示唆しています。

 日本の江戸時代の石門心学から明治維新後の福沢諭吉や渋沢栄一や昭和の松下幸之助へと続く、事業と倫理を両立させ成功させる日本の事業思想の平成の体現者の位置にあると思われます。

 稲盛の哲学には、人種・民族・性別の区別がなく、世界に通じる普遍的な内容があり、日本のみならず中国やアメリカなどでも評価され始めています。

 例:稲盛和夫著 『生き方』など多数。

「壁を壊す」  (著) 吉川 廣和

株式会社キャリアプランニングの槇野社長の経営改善の講演で紹介されていた、お勧めの本です。企業の改革を志す人にとって、とても参考になり力づけてくれる内容です。

アマゾンの推薦を一部引用でご紹介します。

「日経ビジネス」2008/05/19▽常識破りの企業改革知り合いに勧められて読んだら、すごい企業改革物語だった。100年以上の歴史を持つが故体質が古く利益も出なかった同和鉱業(現DOWAホールディングス)を体質改善し、高収益会社に変身させた現会長兼CEO(最高経営責任者)の吉川廣和氏が書いたこの本だ。(以下省略)

事業内容と時代の変遷を考える 野口悠紀雄を読もう

 今日本で求められる事業とはなんだろう?産業の変遷の歴史と経済学の視点から学ぶ、今求められる事業の内容とは、何か?

 冷戦終結後、改革開放の中国や東アジアの国々と日本との関係は、昔日本がアメリカを追いかけてアメリカの製造業崩壊させたのと同じ経済学の原則が実現したものだとのこと。

 今の日本で私たちが行うべき事業とは何か?どのような方向に向かうべきか?少なくとも、以前の事業の単純な延長線上ではありえないという。

企業家の考え方を学ぶ

 サラリーマンと企業家を分ける考え方の特徴を学ぶとすれば

  • 金持ち父さん貧乏父さん : ロバート・キヨサキが、全く違うタイプである2人の人物の影響を受けて構築した、ユニークな経済論
  • となりの億万長者―成功を生む7つの法則 トマス・J. スタンリー、ウィリアム・D. ダンコ、
  • なぜ、この人たちは金持ちになったのか - 億万長者が教える成功の秘訣 トマス・J・スタンリー

 これらの本には、企業家とサラリーマンを分ける考え方の違いが明瞭に出ています。金持ち父さんは、これを読んで経営者を志す人が多いという世界的ベストセラーです。
 上の2つはアメリカの多くの経営者の実例調査に基づいた意外なもので、経営者のみならず社会人共通に大変参考になるものです。経営を志す人にとって必須のものと言ってよいでしょう。

新しいことに取り組む時の心の持ちよう

 ホームページつくりに伸びるときと、だめになるときの心の持ちようを紹介しています。ポジティブシンキングの具体例で、人生に通ずるものがあります。